人混みに入るとしんどくなる。動悸がして息苦しくなり手足に力が入る。パニック障害の漢方相談で多いのは発作そのものより、また起きるかもしれないという不安で行ける場所が狭くなっていくというお悩みです。今回は人混みでの動悸と息苦しさが続いていた20代女性が漢方で体質を整え、8ヶ月で治療を終えられるまでの経過をご紹介します。

大阪漢方薬房は豊中市の店舗でのご相談のほか、LINE・電話・オンラインでの相談に対応しています。全国からご相談をいただいています。相談料はいただいておりません。

この記事の要点

  • 人混みで出る動悸や息苦しさは、また起きるかもしれないという不安と重なって強くなります
  • この患者さんは1ヶ月で寝つきが良くなり、3ヶ月で動悸が無くなって抗不安薬も手放されました
  • 8ヶ月で人混みでもしんどくならなくなり治療を終えられました

人混みに入ると動悸や息苦しさが出るのはなぜですか

パニック障害の発作は人混みや電車のようにすぐその場を離れられない状況で起こりやすくなります。体が危険を感じ取った時の反応が危険のない場面で誤って強く働いてしまう状態です。

心臓の動きや呼吸は自分の意志で操作しているものではありません。緊張や不安を感じ取ると自律神経が働いて心拍を上げ呼吸を速めます。本来は危険から身を守るための反応ですが、この切り替えが過敏になると人混みに入っただけで同じ反応が出ます。手足に力が入る感覚もこの緊張の現れです。

そして発作を一度経験すると、また同じことが起きるかもしれないという不安が残ります。この予期不安があると人混みに近づく前から体が身構え、その緊張がそのまま発作を呼びやすくします。行ける場所が少しずつ減っていくのはこのためです。

ですから発作を抑え込むことだけを考えるより、緊張しても揺らぎにくい体の状態を作るほうが結果として近道になります。

パニック障害を漢方ではどう考えるか

漢方では不安や緊張で強く出る動悸や息苦しさを気の巡りの問題として捉えます。気は体を巡りながら心と体の両方を動かしていますが、これが胸やのどのあたりで滞ると詰まる感じや息苦しさとなって現れます。滞りが長引くと熱が生まれ、その熱が上に向かうと動悸や寝つきの悪さにつながります。

この状態にある方は発作のほかに次のような特徴を持っていることがあります。

  • 布団に入っても考えごとが止まらず寝つけない
  • のどや胸のあたりが詰まる感じがする
  • 緊張する場面の前から体がこわばる
  • 人の反応や自分の失敗が気になって切り替えに時間がかかる

ですから漢方では発作だけを狙うのではなく、滞っている巡りそのものを動かして体が過敏に反応しにくい状態へ整えていきます。この方も緊張で気が滞りやすいタイプと見立てて整えていきました。

【症例】20代女性・8ヶ月で治療を終えるまで

患者さんプロフィール

  • 年齢・性別 20代・女性
  • お住まい 東大阪市
  • 主な症状 人混みでの動悸と息苦しさ。手足に力が入る。寝つきが悪い

ご相談時の状態

新卒で働き始めた頃から症状が出るようになりました。慣れない環境で気を張る日が続くうちに人混みに入るとしんどくなるようになったそうです。

特に困っておられたのが人の多い場所でした。動悸がして息苦しくなり手足に力が入る。一度そうなると次に人混みへ入る時にも身構えるようになっていました。

夜は寝つきが悪く布団に入ってから時間がかかる状態が続いていました。ご相談を始めた時点では抗不安薬を服用しておられ、最初は漢方と併用する形で始めました。

漢方治療の経過

2週間
布団に入ってから眠るまでの時間が短くなる

1ヶ月
寝つきが良くなる

2ヶ月
動悸と息苦しさが出る回数が減る。人混みでも短時間なら大丈夫な日が出てくる

3ヶ月
動悸が無くなる。抗不安薬も飲まなくなる

5ヶ月
手足に力が入る感覚が出なくなる。人混みへ入る前に身構えることが減る

8ヶ月
人混みでもしんどくならなくなり治療を終了

患者さんの声

20代女性
東大阪市

「気にし過ぎてしまっていた性格がどっしりとかまえられるようになりました」

経過から見えること

最初に変わったのは睡眠でした。1ヶ月で寝つきが良くなっています。発作より先に夜が整うという順番は珍しくありません。眠れるようになると日中へ持ち越す疲れが減り、体が過敏に反応しにくくなります。

3ヶ月で動悸が無くなり、この頃には抗不安薬も飲まなくなりました。薬を減らす判断を急いだわけではなく症状が出なくなってから自然と手が伸びなくなるという順序でした。

最後まで残ったのが人混みです。発作が起きなくなってもまた起きるかもしれないという記憶はすぐには消えません。8ヶ月かけて人混みに入っても何も起きない経験が積み重なり、身構えなくなったところで治療を終える判断ができました。

患者さんご自身は気にし過ぎてしまっていた性格が変わったと話しておられます。体が揺らぎにくくなると同じ場面でも受け取り方が変わります。体質を整えるとはそういうことだと考えています。

漢方治療の費用

この患者さんの場合は1日あたり820円でした。体質や症状によって選ぶ薬方が異なるため費用も変わります。ご相談時に目安をお伝えします。相談料はいただいておりません。

よくある質問

Q
パニック障害は漢方でどのくらいで変化しますか。
A

この方は1ヶ月で寝つきが良くなり3ヶ月で動悸が無くなりました。8ヶ月で人混みも大丈夫になり治療を終えられています。ただし変化までの期間は体質や症状の経過によって異なります。まずは短い期間で試していただき変化を確認していただいています。

Q
今飲んでいる抗不安薬と漢方は併用できますか。
A

併用できます。この方も最初は抗不安薬と漢方を併用する形で始め、3ヶ月ほど経って動悸が出なくなった頃に飲まなくなりました。西洋薬を減らす判断はお薬を出されている医療機関にご相談ください。自己判断で急にやめないでください。現在服用中のお薬は必ずお知らせください。

Q
人混みが怖くて外出しにくいのですが相談に行けますか。
A

大阪漢方薬房は完全予約制ですので待合で長くお待たせすることはありません。ご来店が難しい場合は電話やZoomでのご相談も承っています。LINEでもご相談が可能です。

Q
病院の検査で異常なしと言われました。それでも相談できますか。
A

そうしたご相談が多くを占めます。検査で異常が見つからないのは体の作りが壊れているわけではないということで、漢方が得意とする領域です。ただし動悸や息苦しさは心臓や甲状腺の病気でも起こります。まだ医療機関を受診されていない場合は先に検査を受けていただくことをおすすめします。

Q
パニック障害は漢方で完治しますか。
A

この方は8ヶ月で人混みでも症状が出なくなり治療を終えられました。ただし完治という言い方は体質や経過によって当てはまらない場合もあります。当店では症状の出ない状態が続き、ご本人が薬を必要と感じなくなった時点を治療の区切りとしています。

Q
発作が起きたときはどうすればよいですか。
A

漢方は発作をその場で止める薬ではありません。発作が起きにくい体の状態へ整えていくものとお考えください。発作時の対処は通院先の医師の指示に従ってください。この方も最初は抗不安薬を併用しながら体質を整えていきました。

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大阪漢方薬房は阪急豊中駅から徒歩1分、豊中市本町にある完全予約制の漢方専門薬局です。相談料はいただいておりません。どんな場面で発作が出るか、いつから続いているかを伺ったうえで体質に合わせた薬方をご提案します。お一人おひとり体質が異なるため、必ずご相談の上で漢方をお選びください。経過も体質によって異なりますのでまずはご相談ください。

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監修・執筆

三井 翔 大阪漢方薬房 代表/薬鍼堂 代表

大阪・豊中の大阪漢方薬房と、兵庫・伊丹の薬鍼堂で漢方相談を行っています。同じ症状でも体の状態は人によって違うため、経過を確認しながら薬方を調整していく相談を大切にしています。

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