夜中に何度も目が覚める。ささいなことでイライラして家族にあたってしまう。気持ちが落ち込む日とそうでない日の差が大きい。50代に入ってからこうした変化が重なる方は少なくありません。今回は不眠とイライラ、気分の落ち込みが同時に続いていた50代女性が漢方で体質を整え、9ヶ月で漢方薬を卒業されるまでの経過をご紹介します。
この記事の要点
- 不眠とイライラ、気分の落ち込みは別々の不調に見えて同じ背景から起こることがあります
- この患者さんは1ヶ月でイライラ、2ヶ月で夜中の目覚めに変化が出ました
- 6ヶ月で夜中に起きなくなり薬方を切り替え、9ヶ月で気持ちが安定して卒業されました
不眠とイライラ、気分の落ち込みが重なるのはなぜか
50代は女性ホルモンが大きく揺れ動く時期です。この変動は自律神経に影響し、夜になっても体が休息の状態に切り替わりにくくなります。その結果、寝つけても夜中に目が覚める。眠りが浅いまま朝を迎える。こうした状態が続きます。
睡眠が足りない状態が続くと感情の調整が難しくなります。ささいなことでイライラしたり逆に気分が落ち込んだりしやすくなるのはこのためです。そしてイライラや落ち込みがあると、また眠りが浅くなります。
つまり不眠とイライラと落ち込みは別々の問題ではなく、ひとつの流れの中で起こっていることが多いのです。眠れる薬、気分を落ち着かせる薬とひとつずつ対処しても追いつかない理由がここにあります。
漢方ではどのように考えるか
漢方ではこうした状態を気と血の巡りの滞りとして捉えます。
この巡りが滞ると行き場を失った熱が上に昇り、イライラやのぼせとなって現れます。夜は頭が冴えて眠りが浅くなります。一方で滞ったまま消耗が進むと、今度は気分の落ち込みにつながります。同じ方の中でイライラする日と落ち込む日が入れ替わるのは、この状態の特徴です。
ですから漢方では眠りだけを狙うのではなく、巡りそのものを立て直していきます。
【症例】50代女性・9ヶ月で漢方薬を卒業されるまで
患者さんプロフィール
- 年齢・性別 50代・女性
- お住まい 兵庫県西宮市
- 主な症状 夜中に何度か目が覚める、イライラ、気分の落ち込み
ご相談時の状態
夜中に何度か目が覚めてしまう。ささいなことでイライラして家族にあたってしまい、後で自己嫌悪になる。気持ちが落ち込みやすく日によってムラがある。この3つが重なった状態でご相談に来られました。
漢方治療の経過
- 1ヶ月 イライラが少しマシになる
- 2ヶ月 夜中に起きる回数が減る
- 4ヶ月 イライラはほぼ気にならなくなる
- 6ヶ月 夜中に起きなくなる。ここで薬方を切り替える
- 9ヶ月 気分の落ち込みが無くなり気持ちが安定。漢方薬を卒業
卒業されるときに伺ったこと
家族との関係が良くなったとおっしゃっていました。ご相談に来られた時はイライラして家族にあたってしまうことを気にされていましたので、この変化はご本人にとって大きかったのだと思います。
経過から見えること
最初に変わったのはイライラでした。次に睡眠、最後に気分の落ち込みという順番です。
これは珍しい流れではありません。巡りが動き出すとまず高ぶりが収まります。次に夜の緊張がゆるんで睡眠が深くなります。落ち込みは消耗が回復してから戻るため、いちばん時間がかかります。
6ヶ月の時点で薬方を切り替えたのは、睡眠が安定して体の状態が変わったためです。同じ薬方をずっと続けるのではなく、その時々の状態に合わせて変えていきます。良くなってきたからこそ切り替えが必要になる場面もあります。
漢方治療の費用
この患者さんの場合は1日あたり880円でした。体質や症状によって選ぶ薬方が異なるため費用も変わります。ご相談時に目安をお伝えします。
よくあるご質問
- Qどのくらいで変化を感じますか。
- A
この方は1ヶ月でイライラ、2ヶ月で睡眠に変化が出ました。ただし体質や症状によって変化を感じるまでの期間は異なります。
- Q途中で漢方薬が変わることはありますか。
- A
あります。この方も6ヶ月の時点で切り替えました。体の状態が変われば合う薬方も変わるためです。
- Q良くなったら漢方はやめられますか。
- A
この方は9ヶ月で卒業されました。安定した状態が続くことを確認しながら段階的に進めますのでご相談ください。
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