ペンを持つと手が震えて字が書きにくい。箸を持つ手が震えて人前で食事をするのがつらい。本態性振戦の手の震えは周りに気づかれるのではないかと思うほど、かえって強く出てしまうのがつらいところです。今回は2〜3年前から手の震えが続いていた30代女性が漢方で体質を整え、約半年で治療を終えられるまでの経過をご紹介します。
この記事の要点
- 本態性振戦の震えは気にするほど強くなるというタイプがあります。この悪循環をどう切るかが鍵になります
- この患者さんは10日ほどで震えが軽くなり、1ヶ月で食事中に震えない時間が出てきました
- 約半年でペンや箸を持っても震えなくなり、治療を終えられました
ペンや箸を持つと手が震えるのはなぜですか
本態性振戦は原因となる病気が見つからない震えを指します。何かをしようとした時に手が震えるのが特徴で、字を書く、箸を持つ、コップを口に運ぶといった動作で目立ちます。じっとしている時よりも、動かそうとすると出るという方が多いです。
そして本態性振戦には震えを気にするほど、震えが強くなるという方が多い点です。
人前で箸を持つ時にまた震えるのではないかと身構える。その緊張がそのまま震えを大きくする。そして震えたことでさらに気になる。この繰り返しで本来の震えより大きな震えが出てしまいます。人前での食事や会議での発言といった場面で特に強く出るのはこのためです。
ですから震えを抑え込もうとするより、緊張しても揺らぎにくい体の状態を作るほうが結果として近道になることがあります。
本態性振戦を漢方ではどう考えるか
漢方では緊張した時に強く出る震えを気の巡りの問題として捉えます。気は体を巡りながら心と体の両方を動かしていますが、これが滞ると行き場を失った熱が生まれます。この熱が上や末端に向かうと揺れやこわばりとなって現れます。
この状態にある方は、震えのほかにも次のような特徴を持っていることがあります。
- じっとしていなければならない場面で症状が強くなる
- 緊張する場面の前から体がこわばる
- よく眠っても疲れが抜けにくい
- 考えごとが止まらず気持ちの切り替えに時間がかかる
ですから漢方では震えだけを狙うのではなく、滞っている巡りそのものを動かしていきます。この方も緊張で気が滞りやすいタイプと見立てて整えていきました。
【症例】30代女性・約半年で治療を終えるまで
患者さんプロフィール
- 年齢・性別 30代・女性
- お住まい 大阪市
- 主な症状 手足の震え。ペンや箸を持つ時、緊張した時に強く出る
ご相談時の状態
2〜3年前から手足の震えが出るようになりました。始まった時期はやることが重なり、ストレスの多い時期だったそうです。
特に困っていたのが食事の場面でした。箸を持つ手が震えるため人前で食事をすることができない。ペンを持つときにも震えが出るため、書類に記入する場面でも気を張っていました。
合わせて、眠っても疲れが抜けにくい状態が続いていました。1日11時間眠っても足りないと感じておられました。
漢方治療の経過
10日後
震えが少し軽くなったと感じられる
1ヶ月
食事をしていても震えない時間が出てくる
2ヶ月
震えが出るのは食事の時だけになる。睡眠は9時間で足りるようになる
約半年
ペンや箸を持っても震えなくなり、治療を終了
患者さんの声

「震えが気になって人前で食事ができなかったのが、できるようになりました」
経過から見えること
最初に変わったのは震えの強さでした。10日程で少し軽いと感じられ、そこから震えが出る場面が少しずつ減っていきます。1ヶ月で食事中に震えない時間が生まれ、2ヶ月で震えが出るのは食事のときだけになりました。
興味深いのは震えが出る場面が減るにつれて、気にする回数そのものが減っていったことです。震えないことが増えると身構えなくなり、身構えないから震えにくくなる。気にするほど強くなるという悪循環が、逆向きに回り始めたとも言えます。
もうひとつ、睡眠の変化も見逃せません。11時間眠っても足りなかった状態が2ヶ月で9時間になりました。震えだけが変わったのではなく、巡りが動いて体全体が整ってきたことの現れだと考えられます。
最後まで残ったのが食事の場面でした。人前での食事はこの方がいちばん長く気にしてこられた場面です。そこが最後に外れたことで治療を終える判断ができました。
漢方治療の費用
この患者さんの場合は1日あたり880円でした。体質や症状によって選ぶ薬方が異なるため費用も変わります。ご相談時に目安をお伝えします。相談料はいただいておりません。
よくある質問
- Q本態性振戦は漢方でどのくらいで変化しますか。
- A
この方は10日程で震えが軽くなり、1ヶ月で食事中に震えない時間が出てきました。約半年でペンや箸を持っても震えなくなり治療を終えられています。ただし本態性振戦は長く付き合ってこられた方が多く、変化までの期間は体質や経過によって異なります。まず1ヶ月試して変化を確認していただいています。
- Q震えを気にしないようにすればよいのでしょうか。
- A
気にしないようにしようと意識すること自体がかえって緊張を強めてしまうことがあります。震えを意志の力で抑えようとするより、緊張しても揺らぎにくい体の状態をつくるほうが現実的です。実際に震える場面が減ってくると自然と身構えなくなり、気にする回数そのものが減っていきます。
- Q緊張する場面だけ震えるのですがそれでも相談できますか。
- A
そうしたご相談が多くを占めます。人前での食事、会議での発言、レジや受付、美容院や歯科など、じっとしていなければならない場面で強く出るという方が多くいらっしゃいます。漢方では震えそのものより、緊張で気の巡りが滞りやすい体の状態を整えていきます。
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手のふるえのご相談を承っています
大阪漢方薬房は完全予約制です。相談料はいただいておりません。震えが出る場面や、どんなときに強くなるかを伺ったうえで、体質に合わせた薬方をご提案します。経過は体質によって異なりますのでまずはご相談ください。
